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オリンピックの体操を振り返る2 女子団体総合



女子
団体

実は私は、オリンピック開幕前からField castとして有明体操場や練習会場の東京ビッグサイトで選手のサポートをしていたので、練習の時の選手の様子などをつぶさに見ることができた。アメリカチームは明るいし、ロシアチームは難しい顔しているし、中国チームは統制が取れているし…
練習を見る限りバイルス選手はよく動けていたのだが… バイルス選手のまさかの離脱にはびっくりした。今思えば、ふっくらした選手が多いアメリカ選手の中で、一際絞れた身体だったのは何かのサインだったのかもしれない。

点差を見れば、バイルス選手が演技していたとしてもロシアが勝っていたのかもしれない。接戦だったことは間違いないだろう。

ロシアの強さの秘密の1つに、二人の男性コーチの存在が上げられると思う。
おそらく30歳前後~半ばの年代、ロシア人らしい無表情、薄い金髪を短くし、身体はマッチョ、腕にタトゥー。最初に練習会場に現れたときは、二人おそろいのブラック・タンクトップ、ブラック・ハーフパンツ、ブラック・シューズで、ボディーガードを連れてきたのかと思った。
しかし、この二人、それはそれはよく動く。テーピングなどの手伝い、ウォームアップの補助、器具の準備、練習の補助など、すべてを先回りしテキパキとこなしていく。補助も完璧で、あのコーチがいたら、どんな怖い技にもチャレンジできそうだ。選手が信頼しているのも見ていて分かる。
あの二人のコーチの存在が、ロシアチームの得点を2点くらい上げたと言えるのではないだろうか。女子の試合の様子を見る機会があったら、ロシア選手の後ろにいるマッチョな男性コーチに注目してもらいたい。

ロシアは、メルニコワ選手を中心として、やるべきことをきっちりやって、余計なことはしないという感じが良かった。ただ、期待されたリスティノバ選手はかなりナーバスになっていたように見え、それが予選の結果にもつながってしまったようだ。

アメリカは、バイルス選手が離脱した後、ネガティブにならずに、よく頑張ったと思う。チャイルズ選手なんかは予定外の種目で素晴らしい演技をしていた。(その分、期待の床で失敗した?)
結果は銀メダルだったが、選手たちには銀プラスアルファの価値があったのではないだろうか。

さて、もう一つ驚いたのは中国の7位という結果だ。
男子同様、1年の延期にうまく対応できなかったのだろうか? ヘッドコーチがとってもいい人で、その下でいい練習をして、いい動きだっただけに残念だった。次回の復活を期待したい。

日本の5位は上出来と言えるだろう。
正直、前日までの練習の様子を見たら、予選通過も危ういのではないかと思った。他の上位のチームに比べて、なんとなく重かったのだ。で、実際、予選はギリギリの通過。開幕前の練習の様子、予選の出来から考えたら、よくぞ5位まで押し上げたものだと思う。その選手の頑張りは心から褒めてあげたい。
今回のメンバーは、もちろん疑いようのないベストメンバーだった。
しかし、惜しむらくは次の大会につながるメンバー構成ではなかった。
これから、いつもより短いパリまでの期間で、どれだけ若い選手を底上げできるか、強化本部の手腕が問われるだろう。

今回のオリンピックを経て、女子はますます群雄割拠の色合いを増した。
次回の世界選手権以降、いきなり無名のチームが優勝してもおかしくないだろう。
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